< body>
狼.陛下の花.嫁の二次創作です
スポンサーサイト
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

初雪 それは始まりの合図
2015年12月26日 (土) | 編集 |
さて、昨日の青慎サイド『初雪とともに』のカップリングSSで今度は夕鈴サイドのお話です。

ちょっと都合よすぎな展開ではあります。


【今回はコミックス13巻の内容を含みます】

まだ買ってないよーというコミックス派でも買えてないという人は

ここでリターンしてくださいね。

いきなり最初からネタバレですから























「私も貴方と一緒にいたい」

「あなたがいるならどこだっていい」




陛下と共に生きることを決めて本当の花嫁になった。

大変なことはたくさんあるけど後悔はしていない。

・・・・・・・・でも一つだけ心に引っかかっていることがあった。




「ちゃんとお別れを言ってない・・・」


***************


「陛下・・・・・・お願いがあります」


そうお願いして一人で下町に帰ってきた。

どんな顔をその時自分がしていたか分からないけど
陛下は一瞬だけ驚いた表情をしただけで私の顔をしばらく見つめた後
何も聞かずただ一言、「いいよ」と言ってくれた。



でもいざ帰ってみてもなんて説明したらいいかわからない。
青慎に嘘をついていたくないけど、真実を話したら、あの子にも秘密を抱えて生きていくという重荷を背負わせてしまう。
官吏を目指しているあの子にそんな負担はかけたくない。


結局、帰ってもどうしていいか答えも出ないまま、とりあえず朝食の支度をすることにした。


帰ってきた私を見た青慎はびっくりしていたけど
今まであったこと、昨日はどうだったとか模試が1番だったとか嬉しそうに話してくれた。


・・・・そうして・・・


「姉さん、いいんだよ。
別れの挨拶とかいらないから。
幸せなんだよね。それだけで僕は十分だよ」


そういっていつものように学問所へ向かっていった。



残された夕鈴は庭に出てボーっと空を見ていた。


カサカサと落ち葉を踏み分ける音が聞こえても驚きはなかった。
なんとなく最初からわかっていたのかもしれない。


空を見上げたままの夕鈴を、近づいてきた人物は優しく後ろから抱きしめた。


「お別れは済んだ?夕鈴」

「・・・陛下、あの子、何も言わないのにわかってたんです」

「・・・うん」

「幸せなんだよねって。それだけで十分だからって言われちゃいました」

「・・・うん」


陛下は何もかもわかっていたかのように更にぎゅっと抱きしめる。


きっと青慎には陛下の身分とか、そんなことは分かっていないだろうけど。
そんなことは関係ないんだって。
私が幸せならいいんだって言ってくれた。



陛下の本物の花嫁になって幸せだったけど
何も言わずに家を出たままになっていたことにずっと罪悪感があった。


きちんと話さなきゃ。そう決心して陛下にお願いして実家に帰ってきたものの、
実際はどう話していいか迷っていた。



「今まで、青慎は子供だし、私が守らなきゃってずっとそう思って必死になってました。
私の中ではあの子はまだ幼いままだったんです。
…でも違いました。

あの子、いつの間にか大人になってたんですよ。
守っているつもりが、いつの間にか守られてました。

…私、いいんですね。陛下のお傍にいても」


「そうだよ、夕鈴。君の居場所はずっとこの腕の中だ。
それはこの先何があっても変わらない」


「陛下・・・」


後ろから抱きしめられたまま、夕鈴は涙を流し、
背中の温もりにいつまでも身を委ねていた。




二人が王宮へ帰り、
誰もいなくなった汀家の庭には雪が降り積もる。

二人がいた形跡を消すかのように。



真っ白な地にこれからそれぞれの色を刻んでいくように

全てはここから始まる。


雪が一面を真っ白に染めていく。




***************


完全なる妄想にここまでお付き合いくださいましてありがとうございます。
真面目なお話って文章力ないと難しいです。

これも真剣な顔をして仕事中にずっと考えてました←おい

隣の席の人は一体何をそんなに書いてるんだと思ったに違いないです。
ちょっとご都合主義的な話になりましたが、そこはご勘弁を。

なんとなく年末から新年にかけて今までの色んなことをリセットして新しい人生を始めるみたいな感じでUPした方がいいかなと今の時期にしました。


スポンサーサイト
初雪とともに
2015年12月26日 (土) | 編集 |
こうだったらいいなーと思って書いたお話。
たまにはしっとりシリアスな話をとチャレンジしてみました。

この話は青慎サイドと夕鈴サイドの2つに分かれています。
今日は青慎サイドのお話です。


【原作沿い設定】
【コミックス12巻の内容が含まれます】
【全て妄想、捏造です】




*********************



姉さん、お元気ですか?元気に決まってますよね。

何の連絡もないのは無事な証拠

姉さんのことだから、きっとあちこち飛び回って人のためにと頑張っているのだと思います。

どこにいるのかわからない姉さんに出す当てもない手紙を書き続けているなんて変ですよね。


でもこうして手紙を書いていると、本当に姉さんと話しているようで、
今ではすっかり寝る前の習慣になってしまいました。


今日は学問所の模試がありました。
僕は一番を取ったんですよ!

これも姉さんが毎日働いて今の学問所に通わせてくれたおかげです。

僕が勉強に集中できるように何でも姉さん一人で頑張って・・・本当に感謝しています。


そうそう、夜は几鍔さんがごちそうしてくれました。
毎日困っていることはないかと訪ねてきてくれるんですよ。
本当に兄さん・・・いや、父さんみたいです。



父さんといえば、相変わらずです。

でもやっぱり姉さんがいなくなって寂しそうな顔をすることがあります。




本当いうと、僕もちょっと寂しいです・・・・・・・・・・




そこまで書いて青慎は筆を止め、頭を振って用紙をぐちゃっと丸めた。


(いけないいけない。寂しいなんて言っちゃいけないんだ)


青慎は別れた日を思い出していた。

また遠くへ行くことになったと話していた姉さんは以前王宮に住み込みで働きに行くと言った時とは何かが違っていた。




何かを決心したように、どこか吹っ切れたようで。
でも涙をこらえていたから、ああ、もう戻ってこないつもりなのかもしれない・・・・
そう思ったんだ。


だから僕は


「・・・あのね、姉さん
姉さんの人生は姉さんのものなんだからね。
好きにしていいんだよ。

僕は大丈夫・・・」

そう言った。



その気持ちに嘘はない。姉さんは十分家族のために尽くしてくれた。
だから姉さんは自由になる権利があるんだ。


「うん。明日また書き直そう」



*************



翌朝、トントントンと何かを刻む包丁の音といい匂いに目を覚ました。

「あれ・・・?」


慌てて台所に行くと、そこには



「あ、青慎、おはよう」

「え!?姉さん!どうして?」

「・・・・うん、ちょっと戻ってこられたから。朝食作ったからたくさん食べてね。
もう!少し痩せたんじゃないの?ちゃんと食べないとダメよ。体が資本なんだから」


起きたら何故か姉さんがいて。昔に戻ったように朝食を食べながら昨日あったことを話した。

(でも何かいつもと違う・・・久しぶりだから?)


僕は何か違和感を感じてよく観察すると、姉さんの雰囲気が変わっていることに気付いた。


一見元気な姉さんだけど、少し大人っぽくなった。
それに前よりきれいになったと思う。
まとっている雰囲気が柔らかくて神々しいような・・・・

王宮バイトをしていた頃とも一番変わったのはこの部分だ。



そこまで考えてふと青慎は気付いた。




・・・そうか。姉さんは今すごく幸せなんだ。

多分自分の幸せを、一番大事なことを見つけたんだ。

そして大事な相手を。
・・・その相手はきっと・・・・


「青慎?」


気がつくと青慎は涙を流していた。

そして深呼吸すると、夕鈴に向かってこう言った。



「姉さん。いいんだ」


「えっ?」


「別れの挨拶とかいいから。
それにここは姉さんの家であることには変わりないんだよ。

・・・・・・・姉さん、幸せなんだよね?それだけで僕は十分だよ。
今までありがとう。僕は大丈夫だからね。」



「せ、青慎・・・・・・・」

そう言うと夕鈴はボロボロと泣きだし、青慎をぎゅっと抱きしめた。

「じゃあ、僕もう行くね」


そう言って笑っていつものように学問所へ向かっていった。





寂しくないと言えば嘘になる。
でも姉さんを見てはっきりわかったんだ。
姉さんが幸せだと僕は嬉しいんだ。




今度は僕が追いかける番だ。
いつか立派な官吏になって、一人前になったら僕から会いに行くから。

だから、そこまでは一旦お別れだね。

だからさよならじゃない。




「またね、姉さん」





雪が降ってきたその中を青慎は晴れやかな顔で走っていった。


進む道が真っ白に染まっていく。




********************



本物夫婦になってめでたしめでたしではなく、どうもあの夕鈴が青慎のことを完全に忘れてこのままでいるとは思えなかったので、自分の中で納得させたかったのか
この話を思いつきました。



ただ、結婚後に下町に行くとか
青慎の話とか原作沿いのお話ってけっこうネタ被りするのでちょっと心配してました。


実際ブログ等を渡り歩いていたら、内容は違うにしろ
同じようなシチュエーションだったりした話があるので。


明日は夕鈴サイドのお話です。
小犬の黎翔さん 番外編 夕鈴の誕生日
2015年12月24日 (木) | 編集 |
こちらは先日行ったカラオケ屋さんの名物ハニートーストを題材に何かお話をと書いたものです。


【いつもながら性格捏造、キャラ崩壊しています】
【今回は陛下と紅珠が、変身しています】
【本編より少し先の時期設定です】
【紅珠は黎翔の小犬化も、浩大が隠密だということも知っています】




「わぁすごい!たくさん種類があるのねー」

目の前のメニューにずらりと写真入りで並んでいるのはこの店の名物ハニートースト。
パンを半斤分使い、生クリームやアイス、果物などをのせて上からたっぷりのメープルシロップがかかっている、いかにも女の子が好むもの。

それを見て、夕鈴と紅珠は目を輝かせていた。

今日2人はこのハニートーストが名物のカラオケ店に来ていた。

「ねー、いくつ頼むの?俺は1人で1個でも食べられるよ。まさか全員で1個ってことはないよね?」

「食べ過ぎだ、浩大。あ、これ夕鈴みたいだよ。ほら、プリンをイメージして、アイスにキャラメルソースがかかってる。
白い肌に茶色の髪で甘くて美味しそうなんて夕鈴そのものだよね」

「ななな、何言って!」

「それよりはお姉様、こちらの方が素敵ですわ。
イチゴが乗っていて、バニラアイスをお餅のクレープでくるんであってそこに赤いイチゴソースがかかっているなんて見た目が可愛らしくてお姉様にぴったり!」

「氾 紅珠、夕鈴は君の姉ではない。それに夕鈴にはこっちの方が似合う!」

「まぁまぁまぁ、どっちも頼めばいいじゃん。せっかく遊びに来たんだしさ。ほら、軍人さんだって食べるよな。」

そう、夕鈴、紅珠の他には黎翔、浩大、克右が来ていた。

今日は夕鈴の誕生日であり、それを知った紅珠がお祝いをしたいと言い出したところ、浩大がここに行ったら楽しいんじゃないかと調べてきて、当然黎翔も付いて来ることになり、克右も駆り出されたという訳だった。

「ところで浩大さん、よく知ってましたね。それにカラオケって、歌えるんですか?」

「俺を誰だと思ってるのかなー?優秀な隠密だよ。こっちの世界に違和感なく溶けこめるようあらゆることに精通してるんだよね。
よし!まずは1曲、あ○しの『愛をさ○べ』ほらほら、軍人さんも踊ろうぜ!」

そう言うと無理やり覚えさせられたらしい克右は諦めたように立ち上がった。

2人の歌と踊りを楽しそうに見ていた夕鈴の両隣では黎翔vs紅珠の火花が散っていた。

(「おい、いい加減夕鈴の腕を離せ」)

(「嫌ですわ。お姉様は私がお守りするんです」)

(「私と夕鈴の仲を応援するんじゃなかったのか」)

(「ですが、お姉様は黎翔様の婚約者ではないと言ってましたわ。もしお姉様が迷惑だと思っているなら私が代わってお守りします!」)

(くっ!)

確かに夕鈴への想いはまだ一方通行なところを突かれた黎翔は口では勝てないと思い、すかさず小犬に変身すると

「あ、夕鈴、ほっぺにクリームがついてるよ。」
というとペロッと頬をなめた。

「ひゃっ!」

見た目はかわいい小犬が飛びついてペロッとしているという微笑ましい図だがそれがあの黎翔だと思うとちょっと複雑である。

それを見た紅珠は自分も猫の姿になり、夕鈴の膝に飛び乗った。

「あ、あらら、紅珠ったら」

そう言いながらもフワフワな毛並みのペルシャは気持ちがよく、つい撫でてしまう。

(ずるい!)

黎翔は目をキラッと光らせたと思うと、夕鈴の肩に両手を乗せ、

「ちゅっ」

と口付けた。

それまで歌っていた2人も紅珠も目をまんまるく見開き、当の夕鈴本人もしばらく固まったまま動けずにいた。

(…え、えっと、これもその、ファーストキス…になるの?)

夕鈴は目をぐるぐるさせてどう捉えたらいいのかパニックになってしまったが、黎翔はただ1人、パタパタ尻尾をふって喜んでいた。


それを見た浩大と克右は
(どう見ても犬がじゃれてるとしか見えないが、そんなんでもいいんだ…難儀な人だな)
と深いため息をついた。


小犬の黎翔さん 14
2015年12月23日 (水) | 編集 |
ではいつものように注意事項です。

【現パロとのパラレルワールドです】
【王宮側の人物は色んな動物に変身できる設定です】
【キャラ性格捏造、陛下はヘタレです】


それでもいい方だけどうぞ



では




夕鈴のバイト先のパン屋では、通常ケーキの販売はしていないが、クリスマスだけはホールケーキの販売を行うため大忙しだった。

しばらく一緒に暮らしていた紅珠は氾家も参加する蒼玉コーポレーション主催のクリスマスパーティーの手伝いのため、父親の元へ戻っていた。

「夕鈴ちゃん、やっぱりサンタの恰好似合うわねぇ。その衣装借りてきて正解だわ!」

「・・・あの、でもちょっと丈が短くて恥ずかしいです。」

そう、クリスマスと言えばサンタ、そして女の子と言えばお決まりのミニスカサンタの衣装を着て夕鈴は店頭でケーキを売っていた。

「お姉さん、俺にも1個ちょうだい!」
「あ、俺も買う!」

その可愛い姿と明るい笑顔に男性客が群がっていた。

それを少し離れた所から、紅く光る、鋭い目つきで








・・・・ちんまりと小犬が覗いていた。。。


「あんな可愛い姿を皆に晒して・・・・くそっ」


その姿を更に離れたところから2人の男が見つめていた。

「・・・なぁ隠密」

「うん?」

「あの方って普段から小犬の姿になってたっけ?」

「いや。そういや軍人さんの前じゃ小犬の姿ってなかったか。
こっち来てから夕鈴ちゃんの前じゃいつもだよ。まぁ、オオカミを先祖とするハスキーじゃ怖がられちゃうと思ってるんじゃないの?」

「・・・はぁ・・・ほんとに娘さんに惚れてるんだな。
そろそろ李順にも報告に戻らないといけないんだが、一体なんて報告すればいいのか。
あの様子じゃまだしばらく戻らないだろうし、こんなこと報告したらまた目向いて怒るぞ」

「だろうねぇ。俺も前危うく飲み込まれそうになったしなー」

とケラケラ笑いながら答える浩大に克右はため息をついた。

「まぁ仕方がない。一旦戻るか。お前は?」

「俺はあの人の道具だからね。あの人の指示がなきゃ勝手には動けないよ。まっ、あんな姿が見られるなんてめったにないしな。しばらく様子を見させてもらうよ」

「いいな、お前はのんきで…」

そうブツブツつぶやくと、ボクサー犬に変身して走り去っていった。
一方の浩大も隠密らしくカメレオンに変身して木の中に姿を消した。

「夕鈴ちゃん。お疲れさま。ケーキ1箱持って帰っていいわよ。せっかくのクリスマスにずっと働いてくれて、彼氏に怒られたらいけないから、これ持って行ってあげなさいよ。」

「えっ!?店長、彼なんていませんよ///」

「そう?前からよくイケメンが見に来てたみたいだからてっきり彼氏かと思ったけど違うの?」

「え!・・・・・」


その帰りに近道の公園を通りかかるとベンチに黎翔が一人座っていた。

「・・・・・黎翔さん・・・もしかして待ってたんですか?」

「忙しそうだったから疲れてるんじゃないかと思って。荷物持とうか?それにしてもすごい量だね」

「あ、ケーキを店長がくれて。それにスーパーに行ったら残ったクリスマス用の食材が安くなってたからちょっとたくさん買い込んじゃいました。」

「そうなんだ、夕鈴らしいね」

「そ、そうですか?あの・・・黎翔さん。よかったらその・・・ケーキもたくさんだし、夕飯食べていきませんか?一人じゃ食べきれないので」

そう言うとぱぁぁっと笑顔になった。

(人間の姿をしていても、こういう所って小犬っぽくてかわいい・・・)

「わぁ!ご馳走だ。夕鈴すごいね」

おいしーねーと嬉しそうに食べる姿を見て、夕鈴は嬉しくなった。

(あ・・・夕鈴笑ってくれてる)

黎翔は久しぶりに夕鈴に会えただけでなく、自分に確かに笑顔を向けてくれているという事実に胸の中が温かくなった。

バイト疲れもあり、気が付くと夕鈴は寝込んでしまっていた。

黎翔は布団まで運び、

「こんな気持ちになったのは夕鈴、君が初めてだよ。
君の前では強い狼の鎧をまとう必要もない。
大好きなんだ、夕鈴。君の笑顔をずっと見ていたい」

そう言うと額に口づけを落とし、小犬の姿になった。

「このまま人間の姿でいたらさすがにまずいしな」




「・・・・・・でも寒いな。ちょっとあったまるだけならいいよね?
ちゃんと朝、夕鈴が起きる前にはクッションに戻るから」

そう言うと夕鈴の布団の中に潜り込んで丸くなって目を閉じた。


***************


せっかくのクリスマスなのでちょい甘にしてみました。

でもヘタレ小犬さんですから、寝ている間に手を出すなんてことは出来ません。
小犬で潜り込むのが精いっぱいなんですね。ははは(^▽^;)

そして、泊まらないでホテルへ帰れ!と突っ込みたくなるのですが、そこは小犬なら泊まっていってもいいだろうと思っているらしいです。←

今月は年末にこれとは別の話を前後編に分けて書く予定です。
今月は結構更新しました。

ではでは
小犬の黎翔さん 13
2015年12月09日 (水) | 編集 |

「夕鈴お姉様。今日は何時頃お帰りになります?」
「あ、えっと、紅珠?お姉様っていうのは…」
「ダメですの?わたくし、兄ばかりなのでずっとお姉様が欲しかったんです…」

ショボンとうなだれて上目遣いに見る紅珠に、かわいいい!っと夕鈴はすぐに折れてしまった。

「あの、その、じゃあ外ではそんな風に呼ばないでくれたら…」

うるうる涙をためていた紅珠はぱあぁっと顔を輝かせて満面の笑顔になった。
(…なんか、こういうとこって黎翔さんの小犬の時と似てる…)

紅珠を助けてからというもの、すっかり懐かれてしまい、黎翔はホテルに追いやったが、代わりに紅珠と暮らすことになった。

女の子だから昼も夜も猫の姿にならなくても一緒の部屋にいられるし、そういう意味では黎翔よりは楽だが、なんとなく、小犬が子猫になっただけで変わりはないような…と思わなくもない。

一方の黎翔はというと、
「全く!助けたのは私なのにどうして追い出されるんだ!」
「…そりゃ、陛下が氾のお嬢ちゃんのこと怒鳴りつけたから夕鈴ちゃんが怒っちゃったんでしょ。自業自得ってことで…うわわっ!」

浩大が面白そうに言った途端顔をかすめるように小刀が飛んでくる。

「あっぶねー。そんなに気になるなら謝りに行ってくればいいのに」
「そんなことは分かってる」

(…ふーん、拒絶されるのが怖くて二の足踏んでるってとこか。こりゃ、結構夕鈴ちゃんのこと本気だね。面白れー)

ホテルの部屋でもやもや悩んでたが、こうしていても仕方がないと夕鈴のアパートに向かった。

(いきなり行っても夕鈴怒ってるかもしれないし、外から様子を見るだけでも…)

そう思ってアパートに近づくとちょうど夕鈴が紅珠と一緒に出てくるところだった。
思わず建物の脇に隠れて様子を伺っていると、実の姉妹のように楽しそうにしていて、その夕鈴の笑顔は自分にはまだ向けてくれたことがない、いつもパン屋で働いている夕鈴を見ていて好きになったあの笑顔だということに気づいた。

(自分には向けてくれない笑顔をもう紅珠には見せてるんだ…)

なんだかとてつもなく寂しくなり、そのまま小犬の姿になってとぼとぼと帰って行った。

「あらっ?」
夕鈴は一瞬だが小犬の後姿が目に入り、ふと足を止める。

「どうかなさいまして?」
「あ、ごめんなさい。ちょっと待ってて」
と、紅珠を残し慌てて後を追ってみたが、もう姿はなかった。

「黎翔さん…?」

「お姉様?」
「ああごめんなさい。何でもないわ。さ、お買い物にいきましょう。それより、ダメよ紅珠。外では名前で呼んでって言ったじゃない」
「ふふっ、私ったらつい嬉しくて。では参りましょう。夕鈴さん」

しばらく夕鈴の家に同居することにした紅珠は身の回りの品を揃えるため、夕鈴と買い物に出ることになった。
紅珠はこちらの世界に来たことはあってもたいてい父と一緒だったりで友達がいるわけでもないのでこんな風に街の中をショッピングするのは初めてで、とってもウキウキしていた。

夕鈴も今日は土曜で学校も早く終わり、まだバイト先が休みのため、まだ外に出るのはどうかと思ったが、思い切って紅珠を連れ出したのは正解だったかなと少しホッとした。


****************


その頃黎翔は蒼玉コーポレーションの本社ビルに来ていた。
叔母である瑠霞は社長夫人にして役員もしているため、幅広く経営にも携わっており、ビルの最上階に自分の執務室を持っていた。

部屋に入ると、全く驚いた様子も見せず、微笑んで座っていた。

「そろそろ来ると思ってたわ」
「…でしょうね。もちろん来た理由も分かってるんですよね?」
黎翔も冷ややかな微笑みを浮かべる。

「…そうね。でもあなただってわざわざ聞かなくても既に調べはついてるんでしょう?
白陽国から罪に問われるようなことはしてないわよ。もちろんあなたに迷惑をかけることも。
まぁこっちではちょっと犯罪まがいなことはあったとしても、ペットとして買ってきた犬や猫が実は人間で皆さんの悪事や弱味をにぎらせてもらいましたなんて誰も信じないし、ね。」

と無邪気にも見える笑顔で答えた。

(相変わらず喰えない叔母だ。一体何を考えているのか…)

「あらあら、そんなに怖い顔で睨まないでよ。あなたの大事な夕鈴さんには何もしてないわよ。それどころか今頃あの2人は仲良くなってるんじゃない?
あなたは紅珠と結婚する気はなさそうだったし、紅珠が諦めてくれたなら結果的によかったんじゃなくて?」

「…見張ってるというわけか」
「まぁ嫌ね。見守ってるって言ってほしいわ。別にね、私はどちらの味方でもなかったけど、あなたがそんなにも執着してるなんて珍しいじゃない。
それなのにあの子はまだあなたのことを好きになってないみたいだし、あなたが紅珠とくっつくより、あの子をどう落としていくのか見てみたくなったの。単なる好奇心ってとこかしら。
あら怖い。だから睨まないでよ」

「いいか、今後は手出ししたら許さないからそのつもりでいるんだな。
ところで、今回の一件は氾大臣も関わってるのか?」

「いいえ。何をしてるか分かってはいるでしょうけどそこは不問にして人を貸してもらってただけよ。彼もこちらの世界で味方を作っておきたいみたいだったし、ギブアンドテイクってとこかしら」

「氾 紅珠のことについては?」
「ああ、…それはね、内緒なの。さすがに何日もだったらまずいと思ったけど、あなたがすぐ助けるだろうと思ったし、問い詰められたら夕鈴さんに会いに行ってることにしようと。
でも実際そうなったんだし。だからこれだけは彼には言わないでね」

勝手な言い分に腹が立ったがすべてその通りに行っているあたり、さすがは大企業の経営に携わっているだけはある。
下手に手を出しても先回りされる可能性が高い。

敵にはしない方がいいってことか。
だが、夕鈴に手出しをしたらただじゃおかない。
そう強く誓ってオフィスを後にする。

(でもまずは夕鈴に許してもらうのが先だよな…僕の入る隙間あるんだろうか…)

ふと現実に帰った時、今までギラギラした目つきで威嚇をしていたとは思えないほど、ションボリと肩を落とし、また元来た道を戻っていった。

「ゆーりーん、僕にも笑ってくれないかなぁ…」

(続く)
*****************

今回は最初の女の子2人の仲良しさんとショボーンとした小犬さんを書きたかった…

かっこいいのか残念なのか、夕鈴に笑顔を向けてもらえるようになるにはまだ時間がかかるのか…な?





狩りシリーズ キウイ狩り(後)
2015年12月05日 (土) | 編集 |
隻眼の商人…梨園で手伝いした2人

(ふふっ まるで方淵殿と水月さんみたいですね)

お妃様…恐らくその2人組は確実に私達のようです。

水月はまさか自分達を探しているとは思いもせず人探しを引き受けてしまったが、一体どうしたらいいだろうと思案していた。

「おい!こんな所で何を油を売ってる!年末はそれでなくても忙しい。早く政務室へ戻れ。…?どうした?」
「いや、何でもないよ。ちょっと頭痛がしてきたので今日は早退することにした。後はよろしく」
「え!まだ貴様は!ちょっと待て!!」

そそくさと慌てて水月は屋敷に戻り、一体どうしたものかと頭を悩ませるのであった。
 
***************

「では陛下、行ってきますね」
「うん。気をつけてね。僕も仕事終わらせて行けるようにするから」
「だ、ダメですよ!そんなことしたら李順さんに叱られます。陛下はお仕事みっちりぎっしりなんですからちゃんとお仕事して待っていてください。」

夕鈴にも絶対来ちゃダメと念押しされた陛下はこれ以上ないくらいに落ち込んだ。

(結局2人組は見つからなかったし、人手が足りないっていうくらいだから相当覚悟が必要ね)

「お、夕鈴来たか。すまないな呼び出して。今日は李翔はついて来なかったのか?」
「当たり前よ。忙しい人なんですからそんなにいつもついてくるわけないじゃない」
「ったく、肝心な時に役に立たないな」
「何よ。そんな大変なの?」
「ああ、キウイってのは1本の木からツルが伸びてすごく実がなるんだ。今年は気候も良かったから畑の面積を増築したんだが、それでもすごくてな。
そんなに棚が高くないとこもあって重みでどんどん下がってきちまうから早目に収穫しないといけないんだが、
タチの悪い風邪が流行ってて、人数が半分しかいないんだよ。
全く、猫の手も借りたいほどだよ」

几鍔愚痴をこぼすなんて珍しいと思ったがやってみると想像以上に大変だった。
鈴なりという言葉がこれ以上ないくらいぴったりで、1つ1つ丁寧にもいでいかないといけないため、かなり面倒だった。

しかも重みで下がっていて低くなっている所があり、腰や膝を曲げての作業はかなり大変だった。

「あー、いたたっ。腰にくるわねこれ」

「それは困る。腰を痛められては夜に夕鈴を可愛がることが出来なくなるじゃないか」

と、そこで聞くことがないはずの声が後ろからしたと思ったら、いきなり抱きすくめられた。

「へ、李翔さん!なんでここに!!」
「やっぱり夕鈴1人じゃ大変だと思って来ちゃった」
「来ちゃった、じゃないです!お仕事は?」
「うん。まぁ急ぎの仕事は終わらせてきたから大丈夫だよ」
「大丈夫って!だって李順さんの話じゃそんなすぐ終わるような量じゃなさそうでしたよね?勝手に抜け出して来たんじゃないんですか?」
「まぁまぁ、、ところで夕鈴、その格好だと妃とはバレなそうだけどあいつらには近寄るとバレるかもしれないからちょっと奥の方に行こう」
「あいつら?」

陛下が指をさした方向を見ると、何故か方淵と水月がいた。

「おい、水月!何故このような所に来なければならんのだ」
「仕方ないよ。お妃様の話だと商人は私達を探しているらしいし、今後も探されたら困ってしまうだろう?ここはきちんと私達は商人見習いじゃないということを説明しておいた方がいいと思うんだ」

「おい、お前ら、やっぱり来たのか」

2人を見つけた几鍔がすかさず寄ってくる。

「なんだ、やっぱり貴族の屋敷で雇ってもらってたのか。
そんなきれいななりをしてキウイの収穫に来る奴はいないぞ!
ったく仕方ないな。俺の服を貸してやるから着替えて来い」
「あ、いや私達は…」
「おーい、兄貴ー!ちょっと来てください」
「おう!じゃあお前ら、後で収穫の仕方を教えるから着替えとけよ」
「おい!ちょっと…」

水月も方淵も口を開きかけたが几鍔は行ってしまった。

「おい、兄ちゃん達!ボサッとつっ立ってたら邪魔だよ。さっさと準備して手伝っとくれよ。今日中にある程度熟してるものは収穫するんだ」

キウイ園の中は殺気立っていて、確かにそこにいたら邪魔だった。

「…とりあえず、汚れてしまうし、着替えようか。方淵」

**************


「あら?あの2人着替えてますよ。まさかお手伝いに?
あっ、もしかしたら2人組を探してほしいなんてお願いしちゃったから、水月さん責任感じて手伝ってくれることにしたのかしら?それにあの方淵まで!」

まさか探していた2人組が本当にあの2人組だと思わなかったので夕鈴は1人感動していた。

「それより夕鈴、これどれくらいしたら食べられるのかな?早く食べたいよー」
「そうですね。表面がツルっとしていて毛が少ないのは中が黄色くて甘みが強いんですよ。そしてこっちの方は中が緑で実がしっかりしてるんです。
そのまま食べても美味しいですけど、干したのもなかなかですよ」
「へぇー、楽しみだなぁ」


「あれ?いつの間にか李翔が来てるじゃねーか。ま、多い方が助かるしあっちは放っておくか」


「お、お前ら、着替えたか!じゃあ早速手伝ってもらうぞ」
 「だから私達は!うわっ」
「おい気をつけろ。この辺りは低くなってるからな。よく見ないと顔に当たるぞ。しかもこの辺のキウイはまだ熟してないからかなり固いからな。毛も長い品種だから刺さるぞ」
「…もう刺さったぞ…」

方淵は苦虫を潰したような顔つきで呟いた。
その後も何度か誤解を解こうと試みるも、キウイの収穫でみんな殺気立っていて、話をする暇なんかなかった。

**************

「あれ、旦那も来たのかい?今日は無理な願いをしてすまなかったね。しかし相変わらずあんたはよく働くよ。やっぱり鍔の嫁に欲しかったね。
今日はここで十分だよ。土産持って帰りな」

「おばば様!ありがとうございます。
お役に立ててよかったです」


「夕鈴、方淵達に見つからないうちに帰ろう」
「あ、そうですね。じゃあ早目に出ましょう」
「それにしても、今の格好、掃除婦の姿を思い出させるね。どんな姿の君も可愛いね」
「なっ///そういうのは今はいりませんからっ」

相変わらずいちゃいちゃしつつ王宮へ戻る2人だった。

一方で坊ちゃん’sは…
「よし!このくらいでいいだろう。おい、お前らももういいぞ。
よかったら今後もうちで手伝ってもらっていいんだぞ。貴族の屋敷の方が稼ぎもいいかもしれないが、いつ気まぐれに放り出されるかわからないからな。
今から商売の勉強をして損になることはないと思うぞ。
まぁ気が向いたらいつでも連絡してくれ」

そう言うと収穫したキウイの仕分けに行ってしまった。

結局、2人は誤解を解くことなく、最後まで手伝わされて帰って行った。

「…水月、もう今後、もしお妃から同じように人探しを相談されても絶対取り合うんじゃないぞ」
「そうだね。とりあえず疲れすぎていまは何も考えられないや…」


労働の対価にもらったキウイを紅珠に渡すと大変喜ばれたそうだが、どこからの贈り物か聞かれた水月はただぽつりと
「兄様の尊い労働の証だよ」とつぶやいたそう。




狩りシリーズ キウイ狩り(前)
2015年12月03日 (木) | 編集 |
さて、今回は今年最後の狩りシリーズでキウイ狩りです。
キウイ狩りは初めて行きましたが、やっぱり自分で選んで獲るという作業が楽しいですね(o^^o)

【設定 本物夫婦】
【青慎は陛下の正体はまだ知りません。夕鈴のことは貴族の李翔さんに嫁いだと思っています】


「陛下、実家に帰らせて下さい」

こんな衝撃発言が夕鈴の口から飛び出したのは夕食後。
さぁ今日も美味しく兎を頂こうとした陛下が地の底には叩き落されるには十分すぎる発言だった。
パニックに陥りながらもなんとか気を取り直した陛下がどういうことか尋ねたところ、こういうことだった。

「実は、青慎から手紙が届いたんです。」
と一通の紙を差し出した。



………………………………

姉さん、お元気ですか?
実は几のおばば様から姉さんにキウイの収穫を手伝って欲しいという相談を受けました。
流行の風邪で何人も倒れてしまって人手が足りないそうです。
貴族の奥さんになった姉さんに頼むのは間違っているかもしれませんが、おばば様からのたっての希望で僕からは断りきれませんでした。

もし李翔さんが許して下さったら手伝ってほしいのですが、聞いてみて頂けませんか?

あと、几鍔さんから、とある2人組を探してほしいと頼まれました。
どうも下町には見当たらないので貴族の屋敷で下働きをしているかもしれないそうです。
梨園で几鍔さんの手伝いをした2人組で、1人は神経質そうな顔つき、もう1人は優男風の外見で2人とも髪は長いそうです。

商売のイロハが身につくまで几商店で雇ってもいいと考えてるようで、今回探せたら一緒に手伝わせてはどうかとのことです。
この話だけだと探すのは難しいと思いますが、心当たりがあれば探してあげて下さい。

…………………………………………

「…なるほどね。状況はわかったよ。」
「おばば様からの頼みですし、多分人手が足りなくて相当困ってるんだと思います。
陛下、行ってきてもいいでしょうか?」
「うん。その代わり僕も一緒に行くからね」

ところが

「ダメです!この年末の忙しい時期に陛下まで下町に行くことは絶対に許可できません!」

キッパリはっきり李順に否定され、どうしても陛下の同行は今回は無理となった。

「ごめんね、夕鈴」
しょんぼりと肩を落とした陛下に夕鈴は優しく微笑み

「いいえ。今回は遊びじゃなくて几商店の手伝いですから、まさか陛下にやらせるわけには行きませんよ。
しっかりおばば様の役に立ってお土産もらってきますからね」
とやる気に満ち溢れた返事をするのだった。


「ところで、手紙にあった2人組ってどうやって探せばいいのかしら」

さすがに貴族の下働き1人1人のことまで詳しく知っている人物に心当たりはない。

「水月さんは下働きの人までは顔は広くないわよね。一応聞いてみようかしら」




「…下働きの者…ですか?お妃さま」
「はい。やっぱり無理ですよね?」
「さすがに、私もそこまでのつながりは難しいですが、何とか探してみましょう。ところで、どうして下働きの者を探しているのですか?」

水月につっこまれた夕鈴はどう答えようか一瞬戸惑った。

「えっと、あ、あの、ひいきにしている商人の方から頼まれたんです。
なんでも梨園で仕入れの手伝いをしてもらって、是非今回も手伝いをしてもらいたいのだけど、下町では見かけないらしくて」

「そうでしたか。では手がかりを聞いてみますので、それぞれの特徴を教えて下さいませんか?」

「あ、はい。手伝った方の1人は長髪をきっちりと後ろで1つに束ねて、神経質そうな顔つき。もう1人は長髪をゆったりと後ろで束ねて優しげな顔つきですって。
ふふっ なんかまるで方淵殿と水月さんみたいですね。」

「まさか私達みたいな2人組の商人見習いですか。それは面白いですね。それで、その商人の方はどのような方ですか?」

「ええ。隻眼の、目つきの悪い人です」
「えっ!!」

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。