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狼.陛下の花.嫁の二次創作です
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小犬の黎翔さん 9
2015年11月15日 (日) | 編集 |

白陽国王宮政務室では、いつものように狼陛下が官吏達を叱る声が響いていた。

「しばらくお姿を見ないと思ったが、あっという間にいつもの政務室に戻ってしまったね。
これが続くと屋敷に引きこもりたくなるよ。」

「水月、無駄口叩かず仕事をしろ。
大体このくらいで音を上げるようじゃ補佐官失格だぞ。」
「はぁ…君はいつでもやる気に満ち溢れているね、方淵。こう毎日暑いのに政務室だけ冬のような寒さで、心だけでなく、体も壊してしまいそうだよ。」

「李順、今日の分を急ぎ終わらせたらしばらくあっちへ行くからな。」
「はぁ、仕方ありませんね。
まぁ、ここまで頑張ったので少しなら大丈夫でしょう。氾水月が毎日早退せず出勤してるのは陛下が目を光らせてたのもありますが、氾大臣の不在に目を向けさせないためもあるでしょうしね。
たまに戻ってきてるようですが、瑠霞様と何やら企んでいるのは分かってます。
紅珠殿との婚姻のことだけではなさそうですね。その辺りを探る目的があるのであればあちらに行くのも許可しますよ。」

***

「お父様」
「なんだね、紅珠?」
「…黎翔様はどうしてあの子を気に入ってるのかしら。私になくて、彼女にあるものって何?
小さい頃から黎翔様の正妃にと育てられて、私にはあの人しかいないのに。
彼女は後から現れてあっという間に黎翔様の心を掴んでしまった。
それってなんかあの子に特別なことがあるんでしょ?」

紅珠は瑠霞の言った、人を愛するということが根本的に分かっているわけではなく、夕鈴に特別な何かがあるから気に入られてるとしか思えなかった。

「さぁ、私は直接会ったことはないからわからないな。ただね、若い頃は寄り道をしてみたくなるものだよ。
だから安心しなさい。
正妃になるのは紅珠、お前しかいないのだから。」


**********


数日後、紅珠は人間の姿で夕鈴のバイト先に来ていた。
目ざとく見つけた夕鈴は店長に行って休憩をもらうと外に出てきた。

「紅珠さん…でしたよね?
あの、まずは誤解を解かないといけないかと思うんだけど、あのね、黎翔さんとは…」

「あ、あの!愛ってどういうことでしょうか?」

「はっ!?」

(……え?な、何?意味が分からない)

唐突な紅珠の問いかけにめをグルグルさせていると、一気にまくし立てられた。

「私、小さい頃から黎翔様のお妃になるんだって教えられて育って、年頃になったら結婚するんだって。
でも、いきなり黎翔様がこっちの世界の女の子に会いに来てるらしいって聞かされて訳がわからなくてお父様について来てしまったの。
黎翔様は麗しくて逞しくて素敵な方だからお慕いするのは当然って思って。
だから正妃になるのに相応しくなるよう勉強だってしてたのに、なんでいきなり会った女の子に取られちゃうの!?
それは愛ってことなの?私はどうしたらいいの?」

「あ、あの…愛って…私別に」
「ズルイですわ!」
「へっ?」

空いた口が塞がらないとはこのことで、夕鈴は間抜けな返事しか出来なかった。
どうしたらいいのだろうとしばらく無言になってしまった。

でも考えてみれば、彼女の言ってる事はわかる気がする。
白陽国では貴族で、黎翔さんは王様で、
幼い頃からの許嫁。
所謂政略結婚というものだろうと、年頃になれば恋に憧れるのは普通だ。
自分は母に死なれ、幼い弟を抱えて家事全般をこなしていたから恋をする暇もなかったし興味もなかった。
だから同級生の恋バナにもついていけなかったけど、考えたらみんなそんな話ばっかりしているように思う。それが年頃の女の子だったら当たり前なのかも。

実際に婚約者がいて、その人に恋していたら、突然見知らぬ人が横から出てきたらそれはビックリするだろう。

ここは下手に刺激しないで彼女のことをまず理解してるって伝える方がよさそう。

「あの、ね。人を好きになるってまず素敵なことだと思うの。
その人のために努力して、なんてとってもすごいわ。あなたは今でも十分かわいいし、自分のためにどんどん輝いて行く人を見たら相手だって嫌なことはないはずよ。」

「えっ?あなたは私が邪魔じゃないの?私がいなければきっと黎翔さんはあなたを妃に迎えるつもりじゃないの?」

「そ、それはないんじゃない?だって住む世界が違うんだし。黎翔さんのことは私まだよく知らないもの///」

「…私、わかりませんわ。私には黎翔さんしかいなかったから…」
「だったら今から色々なことを知ればいいと思うの。まだ若いんだし。
あなただって黎翔さんのこと理解出来てないところがあるんでしょ?お互いまだまだってことで相手のことをちゃんと知ろうとするところから始めましょう、ね?」

(ってあれ?なんかこれじゃほんとに黎翔さんをはさんで三角関係ってのになっちゃうじゃない!私は別にそんなつもりは…でも彼には友達がいないって聞いて気になって…違う違う!恋とか愛とかじゃないわよ!
そう!友達として理解するの、うん)

「わかりましたわ。私達はライバルですものね。私もあなたに負けないように頑張りますわ!」

「あ、そ、そうね。お互い頑張りましょう…」

なんだか自分でもよく分からない内に紅珠は紅珠で納得して帰って行ったが、残された夕鈴は黎翔のことを理解しなきゃって思ってたことに自分でも驚いて頭の中がグルグルしていた。

な、なんでか急に黎翔さんのことが…
いや、だから彼の友達として気になるの…よね?



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