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狼.陛下の花.嫁の二次創作です
小犬の黎翔さん 5
2015年11月14日 (土) | 編集 |



明け方、あったかいものに包まれて夕鈴は目覚めた。

(あれ?まだ朝方は肌寒いのになんだかすごくあったかい?
・・・って!え!?)

「れ、黎翔さん!」

「あれ?夕鈴おはよう。今日は早いね。土曜だから休みでしょ?」

寝るときには小犬に変身すること!
一緒の布団では寝ない!
(小犬用にクッションに毛布をかけて寝床を用意したので
そこで寝る)

そう約束したはずの彼が・・・
なんと一緒の布団に入っていた。
それもいつもの小犬ではなく、大型犬の姿で!

一瞬なんでこんな犬が!・・と思ったが
状況的に知らない犬が紛れ込むはずがなく、
小犬の姿も見えない。
とすると彼がこの大型犬に変身しているとしか思えなかった。

「ごめんね、驚かせて。」
「あ、あの・・・やっぱり黎翔さんですね?
でもなんで布団に入ってるんですか!」

びっくりはしたものの、はっきりと覚醒した夕鈴は
あろうことか包まれているようで心地いいと思ってしまった
自分の気持ちに戸惑って、ついきつい口調になってしまった。

「寝る時には暑くても夜中は結構冷えるから
夕鈴いつも夜中に布団をかけなおして震えてたんだよ。
で、かわいそうだなって思って、あっためてあげようとしたんだ。
でも小犬だとちっちゃいからね。
大型犬の方があったかいでしょ」

「あったかいでしょ、じゃないです!
小犬の姿は何処にいったんですか?
そんないきなりハスキーになってるなんて思わなかったし」

「ああ、僕ね。自分の国では狼陛下ってあだ名がついてるんだよ。
まぁ今までも小犬の姿になることは李順とか浩大の前以外ではなかったけどね。
どっちかっていうとこっちの姿でいることの方が多いよ。
紅珠の話にあったけど、
氾大臣が部下を使ってこっちの動きも探ってるのは気づいてたから
夕鈴のバイトを待つまでの間はこの姿になってたけどね。

夕鈴、いきなり見知らぬハスキーが近づいてきたら怖いでしょ?
だから君の前では小犬でいたらつれてってくれるかなと思って。」

「・・・ちょっと、待ってください。
ってことはもしかしたら最初からだますつもりだったってことですか!
なんでそこまでしてこの家に入り込んだんですか?」

自分がだまされてたんじゃないかと泣きそうな顔になる夕鈴にちょっとバツが悪そうに小犬の姿に戻った黎翔は慌てて否定する。

「違うよ。決して君をだまして家に入り込もうとしたわけじゃないんだ。
僕はずっと自分の国でも一人で怖い王様を演じていて、
ホッと出来る相手なんていなかった。
こっちの世界には何度も視察で来たことがあったけど、
ある時1匹の大型犬にからまれていた子供がいたんだ。

実はその犬っていうのは白陽国の奴でね。
ちょっと悪ふざけをしてたんでこっちも探りを入れてたんだけど、
僕が姿を現すわけにはいかないしでどうしようかと思ったところに
君が助けに入ってその犬を追っ払った。

自分の背丈ほどもあるだろう大型犬を前にして
すごく勇気のある子だなと思って後をつけたら、
パン屋で一生懸命働いていて、大変だろうにいっつも笑顔で。
気づいたら好きになってた・・・・」

「・・・え?」

「こんな気持ちは初めてだったんだ。
昔から王様になったら世継ぎのために正妃を娶ることは当たり前で。
その妃にしたって家の思惑で嫁いでくるだけで
信頼出来るもんじゃないって思ってたから結婚はしたくなかった。

でも、君のことが気になって・・・
どうにかして君と知り合いたいなって思ったら
気づいたら小犬の姿で君を待ってた。」

朝からびっくりの連続で、夕鈴はいっぱいいっぱいだったが
今の告白に頭の中はさらにぐるぐる回っていた。

(い、今なんて言った?
す、、、、好き?黎翔さんが私を?)


・・・・・・・・・・・・・


「おや、紅珠。今日はどうしたんだ?
陛下に会いにいかなくていいのか?」

「お父様・・・こっちに黎翔様の恋人がいるんじゃないかって話。
本当だったの。わたくし、どうしたらいいのか」

「紅珠。お前は自慢の娘だ。
幼い頃から磨き上げてきた教養、楽の才能、
そして何より美しい。誰が見たって正妃は君以外に考えられない。
陛下はたまたま回りにいないような子を見つけて興味をもっただけで、
一時期の遊びに違いない。
若いうちは過ちもあるけどね。それはいつか目が覚めるものだよ。」

「お父様・・・・。わたくし、あきらめませんわ。」

「諦める必要はない。欲しいものはとことん手に入れなさい。
そのための協力ならなんだってしてあげるよ。
さぁ、涙を拭いて出かける支度をしなさい。
お前の婚姻を確かなものにするために
協力をしてもらえるようにお願いをしていてね。
今日は彼女と夕飯の約束がある。
紅珠も一緒に行きなさい。せっかくだから紹介しよう。」


・・・・・・・・・・



なんとか気を落ち着かせてみた夕鈴は
今更ながらに告白を思い出して真っ赤になっていた。

「夕鈴、布団に入ったのは悪かったと思ってるよ。
約束したし・・・・。でも決して変な気持ちを持ってるとかじゃないから!
君の同意を得ずに寝てる君を抱きしめたりとか
口付けしようとしたりとか。そんなことしてないから!」

「何ムキになってるんですか!///
ま、まさかほんとにそんなこと」

「い、いや、それは好きな女の子は抱きたいっていうか、
いや、違うよ!してないから!
そういう気持ちを持ってもおかしくないけど。
でも君のいやがることなんてしないから!」

(もしかしてこの人ほんとはそんなこと・・・)

「いや、だからしてないって!何でそんなジト目で睨むんだよ」

「黎翔さん。あなたってお金持ちなんでしょ。
今日中に出てってください。
ホテルでも何でも泊まるところはあるはずです。
このままじゃ夜眠れませんから。」

「えええ!夕鈴もうしないから。
クッションで寝るから!お願い!」

「ダメです!」


・・・・・・・・・・・・・・・・


(続く)
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