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狼.陛下の花.嫁の二次創作です
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あなたに会いたくて(前)
2016年02月07日 (日) | 編集 |

【本物夫婦設定】




「今日も陛下はお戻りになれないとのことです」

本物夫婦になって数か月。
相変わらず陛下は政務がお忙しく、王宮に泊まりこみの日が続いている。
臨時花嫁の時は掃除をして老師や浩大とおしゃべりして時間をつぶすことも出来たし、
政務室に行って陛下のお顔を見ることが出来たので独りぼっちで過ごすことなんてなかったけど、本物夫婦となってからは政務室にも行かなくなり、1日中誰とも会話をしないで過ごすこともあるなんて本物夫婦になってから初めて気づいたことだった。

「ちょっと・・・寂しい・・・な」

本物のお姫様だったらきっとこんなことは当たり前なんだろう。
でも夕鈴は下町で育ち、町中皆が知り合いという中で育ったので1日中誰とも会話をしないということは経験したことがなかった。

もちろん侍女と言葉を交わすことはあるが、挨拶程度でおしゃべりをするという感じではない。
李順からもらった妃教育のための書物を読んで時間をつぶすことは可能だが、
黙って本を読むだけがこれほど辛いとは思わなかった。

「私って寂しがりだったのかしら?」

紅珠を誘って思い切って相談してみたところ


「お妃さま!決まっておりますわ!陛下がいなくて寂しいのです!
おかわいそうに。陛下がお帰りになったらまっすぐに陛下の胸に飛び込んでいってくださいませ。ああ、会えない時間が二人の気持ちをより一層高めて久しぶりの逢瀬に更に愛が燃え上がるのですわ!こうしてはいられません。すぐに書物にしたためなくては。
お妃さま。今こそお肌のお手入れなどにいそしんでいつでも陛下をお迎え出来るよう準備をぬかりなくしてくださいませ。」

そういってウキウキと帰っていった。

「そ、そりゃ陛下のお顔を見ることが少なくなったのは今までと変わったことだけど
へ、陛下が恋しくて・・・とかそんなんじゃ・・・」

夕鈴はただ誰とも話さなくなったことが気分が落ちている原因だと思っていたので
そんなことないはずと思い、努めて侍女と庭の花を摘んでみたり、
香りの強い花は臨時花嫁の時に作ったように匂い袋を作ってみたりして毎日忙しく過ごしてみることにした。

紅珠の言ったことを思い出したわけではないが、たくさん花を摘んでしまったので
湯殿に入れて花湯にしてみたりもした。

ところが夜になるとよく眠れずに、気が付いたら涙を流している日もあり、
陛下に会えなくて寂しいという気持ちはもう抑えようがなくなっていた。

でも忙しい陛下にそんなことを言って困らせてはいけない。
本物になったことでこんなんじゃ単なる我儘だ。
そう思い、何も考えないように努めた。







「一体、いつになったら仕事が片付くんだ!」

「そうは言いましても、このところ天候不順が続いているために各地方からの被害の報告が後を絶ちません。しばらくは後宮に戻れないと思ってください」

「いい加減、夕鈴不足だぞ!」


陛下は陛下で寂しさを隠すこともせず
相変わらずのぼやきぶりに有能な側近もブチ切れ寸前だった。

(全く!忙しくてたまらないのはあなただけじゃないんですよ!みんな屍一歩手前です)

「相変わらず忙しそうだね。これじゃやっぱり後宮に戻るのは無理っぽいなぁ」

「浩大、邪魔をしないでください。陛下は今あなたの相手をしている暇はないんですよ」

と、誰もいなくなった執務室にやってきた浩大を、余計なことを吹き込んで陛下が抜け出さないようにとさっさと追い返そうとしたがこれ幸いと陛下は浩大を招き入れ、酒を肴に夕鈴の様子を聞き出していた。

「夕鈴がおかしい?」

「うん。なんか夜眠れてないみたいだよ。
昼間はカラ元気にしてるけど、なんか無理してるっぽい気がする。」

その日はかなり深夜になったが一旦仕事に区切りをつけ、後宮に戻ってみた。
夕鈴は眠っていたが、よく見ると涙の跡があり、浩大の言っていたことは本当らしかった。
起こさないようにそっと布団に入るとそのまま夕鈴を抱きしめて眠った。

翌朝、まだ夕鈴が起きる前に陛下は政務に向かわないといけなかったが
机の上にあった匂い袋を夕鈴の代わりに着物に忍ばせ戻っていった。

夕鈴が目覚めた時、いつもと変わりがなかったが、なぜか陛下に抱きしめられていた気がして、寂しさからついに陛下の夢を見るようになってしまったのかなと自己嫌悪に陥った。

(こんなことじゃ、妃として失格だ。本物になった途端わがままになるなんて・・・)

夕鈴はそう思って寂しいなんて感じていないように振る舞うことにしたが
それが自分と陛下の関係を悪化させるなんてこの時は考えていなかった。

(続く)


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長くなってしまったので前後編に分けます。
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